縄文時代から見る「敬神崇祖」と子孫の私たち

2023年10月17日 2023年10月17日 Tomono

縄文時代の集落の遺跡で有名な青森県の「三内丸山遺跡」
その遺跡で平成4年以来の発掘調査で分かった事があります。

それは、墓地が生活圏内の重要な場所に複数あるという事です。
つまり、墓地と共存している生活だったという事です。

そこで縄文時代というと、日本人が想像するのは原始的な生活ですよね。
まだまだ文明も発達しておらず、穴倉に住んでいるのと変わらないぐらいの時代だったと。
その延長で墓地も文明が発達してないから、死者と生者の境界線が曖昧だったのだろう。

…と考えがちですが、これは間違いです。

実は縄文時代は高度な建築技術と、高度な思想を持った時代でした。

よく考えて頂くと分かるのですが、縄文時代って集団で生活しているのに1万年も続いているのです。
そして、出土する遺体には戦いの痕跡は無く、せいぜい事故で亡くなった形跡がある程度。
つまり、争い無く人々は集団で暮らしていた事になります。

そこで、お墓の話をしたいのですが、これも凄いのです。

男女別、大人と子供別、団体別などで分かれて埋葬されている形跡はまさに死者側はそこに住んでいるような形をとっているそうです。
子供で亡くなった子達は特に特別に区分けをされて供養されています。
そして、墓の大きさも平等で区別がありません。

「集落があれば貧富の差ができ、支配・被支配の階級社会となる」というマルクス主義のお話は打ち砕かれてしまう。
それが1万年の長きに栄える縄文時代なのです。

話を元に戻し、死者の住まう区画なのですが、構図的に生者が守っているような形で存在しています。

思うに、死者もそこで生活をしていると考えたら、内内では何かあった時、集落によってはそこまで赴いて沢山お話をしたり、自分と向き合うために共に時間を過ごしたり、共に会食をするお祭りのようなものがあったかもしれません。実際、深鉢形の土器に埋葬したご遺体のそばには、副葬品として沢山の当時の宝物が入れられていました。

これは現代で言うところの「敬神(けいしん)崇(すう)祖(そ)」です。（神様を敬い、祖先を尊び、感謝の心をもって日々の生活を大切に過ごす）敬神崇祖は実は戦前は普通に使われていましたが、戦後教育で消えてしまった言葉です。

是非覚えてきたい言葉です。
古神道はこの時代からのものなのですね。

縄文時代から大事にしてきた繋がり。

そして、その繋がりから大事に大事にされてきた私達。

鎌倉時代から数えると一億人。
飛鳥時代だと百兆人。
私達の祖先はいる事になります。

この国は途絶えたことが無いので、連綿と続いています。
国になる前から争いが無かったので、やはり続いています。
なので、私達を見守る先祖の霊はこんなに多いのです。

日本人に置いて、独りという事はありません。
自信を持って生き、先祖に恥じない生き方をしていく。
それが日本人の、古来からの在り方なのです。