「空の箱に対する物語-脳と三国志-」

霊視×経営コンサルティングの桜賀和愛美です。

いつもご覧くださいまして、本当にありがとうございます。

 

今回のテーマは

「空の箱に対する物語-脳と三国志-」です。

 

脳は見たものをそのまま脳に送っているのではなく、物語を作ってから送っている。

例えば人から物を投げられた時。人は予測をする。

 

『多分これぐらいの速度でこうやって受け止めればいいだろう』

 

目で見たものがそのまま脳に届くまで時間がかかってしまうので、物語を作るそうです。

 

この法則でいくと、そういった外的要素以外にも自分に対してもそれは行われていて、

「自分はこういう人間である」

その脳内で作られた物語によって人は「私は私(○○である)」という自己を認識しています。

 

それがポジティブなものならいいのですが、脳はポジティブだとかネガティブですとかいう線引きはせず、ネガティブな物語も作って今います。ようは「思い込み」というものなのですが、

 

例えば誰かがあなたにそっけなくしたとします。

すると人によっては「疲れてるのかな?」「何か嫌な事でもあったかな?」などと、
一時的なものとして捉えますが、ネガティブな捉え方をすると

 

「私はあの人に嫌われているんだ」

「いったいいつから嫌われていたのだろう…!?」

 

私のあの発言だろうか?私が人より不出来だからだろうか?

そうして物語が作られていき、苦しんでいきます。

 

この物語は諸説議論があり、いまだ結論は出ていませんが、こんな話しがあります。

 

 

昔中国に祖先が有名な儒学者で、本人も大変優秀な人物がいました。

その人は有名な人物相に「王者補佐の才を持っている」と大変絶賛され、後に「王佐の才」と評価され、

また有名な主君に「我が張子房」と呼ばれ大変氣に入られてました。

 

彼の主君の下での活躍は群を抜いており、ほぼ戦況は彼の言った通りになり、

彼が推挙する人物はたちまち頭角を現し後の世に残る者ばかりでした。

主君は彼の知恵と人脈がなければ大事を成せていなかった。と、
主君自身も言っていますし、史実でも多くの学者から評価されています。

 

何につけても、何をしても、主君は彼に相談してから決め、

主君はその氣に入りようから自分の娘まで彼に嫁がせていました。

 

しかし、彼は自殺をしてしまいます。

 

主君から空の箱が送られてきたからです。

 

 

どういうことかわかりましたか?

「空の箱」で察した方もいらっしゃるかと思います。

 

彼とは荀彧(じゅんいく)の事。主君とは曹操の事です。

このお話しは三国志の時代のお話しです。

 

荀彧は三国志に出てくる人物の中でも1.2位を争う名門の出で、その当時大きな勢力を有していた袁紹に仕えることはなく、あえて曹操に仕える事にしました。名高い人物や、自分の弟も袁紹に仕えていましたが、荀彧は

 

「大成する器ではない」

 

と評価し、後にも

 

「袁紹は寛大に見えますが内心は猜疑心が強く、鈍重で決断力に乏しく、機会を見過ごす欠点がある一方、殿は大事な決断ができ、変幻自在な対応が可能です」

 

と言っています。

その後も彼は幾度となく活躍し、皇帝に近い存在になっても質素倹約、素行が悪ければ親族ですら役職にはつけさせず、

曹操が相談すると必ず予想の上を行く答えを常に出していました。

 

それがなぜ、自殺したのか?

 

曹操から空の箱を贈られたから、との事。

 

荀彧の死は謎がいっぱいで、これが本当のことかは分かっていないのですが、こういった話しが一つあるのは事実です。

 

曹操から贈られた器の中身が空だったために、その意図を「お前はもう用済みだ」と解釈した荀彧は服毒自殺したと書かれています。(「器は空だった」と正直に言っても「中身があった」とごまかしても主君を誹謗した罪を受けるというお話しもあります)

 

事の真実がどうであったかはさておきまして、これも「脳が物語を作った」という事になります。

何故なら、曹操がどういう意図で送ったか本人に聞かないで想像しているのですから。

もしかしたら部下が入れ忘れてしまったのかもしれませんし、もっと別の意図があったのかもしれません。

 

心理学を教えておられる衛藤先生は

「悩まなくなるのは簡単。前頭葉を摘出すればいいんです」

と、冗談をおっしゃっていましたが、あれこれ考えてしまうのは脳が物語を作る故のことなんですね。

 

しかし、この物語が脳で作られるのはわずか0.1秒。止められるものではありません。

 

このスパイラルを止めるには1つに、「人は一つのことしか思考できない」という点で、何か一つの物事に集中すると、物語の生成がストップするという事を行います。

 

呼吸に意識を向けて、何か浮かんでもまた呼吸に意識を向ける。

何か一つの作業に没頭する。

 

など、何か一つに集中すると良いそうです。

 

もう一つは学術的に観察というものがあり、自分を第三者目線で観察をし続けるというものなのですが、結構自分の過去や感じ方というのは自分が思ったものと違う場合があったりします。

 

自分も過去を振り返ってみると、

 

「あれ?もしかしたら事実は異なっていたのかもしれない…」

 

と思う事があります。渦中の感情や、その時の思想により見誤っていることが結構あるんですね。

現在も自分で感じたことと、友野がはたから私を見た時だと、たまに感想が違ったりします。

 

「あ、私は想像の中で生きようとしていた…」

 

と思う事もしばしばです。

 

あなたは普段何に注目しているでしょうか?

どんなことを考えているでしょうか?

 

脳の物語や感情で世界を作り上げていないでしょうか?

 

自分の人生をプラスにし、霊感(直感)を正しく使うには、妄想に近い曇った目ではなかなか難しいです。

 

自分に対する認識、世界への認識を見直してみると、生きる世界が変わり、自分にも変化が出ます。

是非試してみてください。

 

それでは本日のお話は以上です。​
ありがとうございました。​

 

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