失敗とは何か？

2023年10月27日 2023年10月26日 Tomono

今、日本人は失敗に敏感です。

誰もが失敗しないように神経を張り詰めていますし、自分に責任が被らないようにあえて芯を抜いて、のらりくらり生活が出来るようにしている方が多く感じます。

悲しいかな、そうしないと生きていけない職場がある事も分かります。

では、職場から離れもっと大きな視点で見た時「失敗」とはどういうものでしょうか？

そもそも、失敗とは何でしょうか？

何かをしようとした時、何もかも分かっていて、想像した成功のまま達成するという状況というのは、ほとんどないかと思います。

世に出回る、売れる商品・研究開発・画期的なメソッド等々、その多くが幾多の困難、障害がありながらも、世に出す事ができました。というエピソードの方が遥かに多いですよね。

そして私達はそのエピソードというものを強烈に覚えていたりするものです。

そこには、感動があります。
ドラマがあります。
本当にドラマなどになる事もあります。

ではやはり、失敗とは何なのでしょうか？

上手くいかなかった事を経験すればするほど、正解への道が近づいてきます。

自分が求めているものとは違う道だったと知った、その知識を得たことになります。

失敗とはなんでしょうか？

多くの人がマイナスなものだと思っています。恥ずかしくて、情けなくて、時には命を脅かすものだと思っています。

しかし、この世界は「過程を踏んでいく」、あるいは、「自分が求めているものとは違う道だったと知る」という“お楽しみ”が用意されています。

そしてその楽しみである過程は、ただの道ではなく財産にもなります。

なんて無駄が無いのでしょうか。

最初の一手でいきなり王手をかけられる将棋の試合はありません。もしあったら、つまらないものです。

いきなり求めるものが最初の一手で手に入るならば、人はこの世に産まれる意味はありません。

今、深い闇の中にいる方も同じです。今そう思えなくてもその闇というのは、人が体験できない「稀有」なものです。

その闇を知らない限り、人はそのものを「知った」という事にはなりえません。

そして転じて、陽も知らないという事になるのです。

穏やかな海ばかりが海の顔ではない。それを身をもって知る人はやはり、観光客とは違う動きと思考をします。

闇を切り抜けてきたあなたは、光に向かうための闇の中の歩き方を知っています。

真に「知っている」あなたは、誰かに「こうした方が良いよ」と教えてあげられる人間になっています。

過程や闇を知らない人は、片手落ちになり、結局表側の認識も中途半場で、この世の理である陰陽が対にして一である「全」にはなりえなくなります。

一に成れないのならば、そこにあるのは中途半端で、何にも成りえない一未満の「無」です。

本当の失敗とは、困難な状態・中途半端な状態をそのままにしておく事が、あるいは「失敗」と呼べる事かもしれません。

この世はコインの裏表。
闇を知ってコインの裏は完成し、「一」と成ります。

辛い、苦しい、困難と感じる事は「成功させようとしている事」の一部です。

光は闇で、闇は光、二つは一つ、です。

故に、一般的に「失敗」と言われているものは、取り返しのつかない、どうしようもない事ではありません。

そこを間違わないようにしてください。